氷+鏡+最強

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ここは都内のとある高層ビル。 その45階にある大広間。 今日はこの大広間は貸し切られ盛大なパーティーが開かれていた。 体育館くらいの広さの部屋には、ざっと2~300人はいるだろう。 大小いくつもあるテーブルには豪華な料理や酒が並ぶ。 「安達さん!どうもどうも、お久しぶりです!」 そういいながら安達に近寄って来た男は情報によると大手電子機器メーカーの広報部の男だそうだ。 〈シノ、不審な動きがないかお前も見ててくれよ?〉 安達の真後ろに立つエイタは耳につけた無線に小声で言う。 〈ええ、問題ないわよ。〉 シノは飲み物のテーブルの前に立っていた。 青のゆったりしたドレスと茶髪のウィッグを付けた彼女は気品が感じられる。 エイタも負けてはいなかった。 黒のタキシードが彼の厳格なイメージを引き立てていて風格が漂っていた。 俗に言うと"キマって"いた。 それに対してケイトはというと… 「なあ…俺の扱いヒドくね?」 ケイトはというと、黒のスーツを着てその上からトレードマークの黒のロングコート、顔にはにサングラスをかけている。 どこからどう見てもマフィア、あるいは、どこかの組織の者である。 後者は確かにそうなのだが… ちなみに何度も言うが今は夏である。 つまり、完全に"浮いて"いる。 〈だ、大丈夫よ。似合ってるわよ…〉 無線から届くシノの声は明らかに笑いをこらえてる。 いや、笑い声が無線越しに漏れてる。 〈仕方ないだろ?お前の役職設定は無能力者の警備員なんだから。〉 かくいうエイタの声も震えている。 「お前らなぁ…バカにしやがって…」 そういうとケイトはテーブルの料理をヤケ気味に食べはじめる。
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