氷+鏡+最強

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「氷の能力か…いいだろう。俺の名前はショウ。翔と書いてショウと読む。だが…」 突然ショウはレーザーを撃ちながら腕を振り下ろす。 それをケイトは素早くしゃがんで避ける。 レーザーは早いが相手の挙動が見えていれば避けられる。 さらには指からしかレーザーは出せないようだ。 ショウが言葉を続ける。 「だが…俺の名前を知ったからには…死んでもらうぜ?」 ショウは冷たく言い放つ。 「はは…ところでお前はなぜ安達さんを狙う?反能力主義者だからか?」 ケイトは戦略を練る。 氷でレーザーに対抗する方法を。 「はっ!時間稼ぎのつもりか?無駄だ、氷でレーザーは防げん。」 「ぬ…そんなこと、やってみなくちゃ分からないだろ?」 ケイトはショウに向かって手を翳す。 それを見てショウも指をケイトに向ける。 指先はケイトの心臓を捉えていた。 突然レーザーが放たれる。 心臓を貫かんと光がケイトを襲う。 だがレーザーは空中で方向転換し、心臓の数cm上の肩に命中した。 「ぐっ…」 痛みにケイトが顔をしかめる。 氷だ。 氷の塊が空中でレーザーに当たったのだ。 「なるほど…屈折か…」 ショウは今の現象に納得する。 「水…いや、氷は空気より屈折率が高い。だからレーザーは氷に当たると進路を変える。」 「そうか…だが…」 ショウは再度レーザーを放つ。 今度は眉間に迫る。 ケイトも再び氷で屈折させる。 レーザーは進路を逸れて、仰け反ったケイトの額を掠める。 額から血が流れる。 「こうして何度も撃っていけばいずれは急所に当たるだろうよ。」 ショウがその事実を言い切る。 ケイトは再び戦略を練る。 (どうする?これ以上近づいたらレーザーを捌けねぇ。だが俺は近距離タイプなんだよなぁ…攻撃ができねぇ…) なかなか考えがまとまらない。 「それに…」とショウが続ける。 「それに…お前は思い違いをしてないか?」 そう言うとショウは5本の指を全てケイトに向け、ニヤッと笑ってみせる。 「…え?ま、マジで?」 ケイトの顔が引きつる。 「マジだ。」 ショウが笑いながら指先に意識を集中させる。
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