氷+鏡+最強

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「エイタの能力よ。」 ケイトとは違う声がする。 見るとケイトの後ろから女が1人出てくる。 青いドレスに身を包んだその女はシノである。 「なんとか耐えたぜ、シノ。あとスプリンクラー、サンキューな。」 ケイトの顔に安堵の色が浮かぶ。 ちなみに、先ほどのレーザーで水道管が切れたようで、今はもうスプリンクラーが止まっている。 「お礼はエイタに言って。彼のテレキネシスで火災警報を鳴らしたの。」 鼻を抑えながらショウが立ち上がる。 「お前は…鏡の…」 「そうよ。前回は本当に偵察だったのね。」 シノは冷ややかな反応だ。 「ではこのビルは…!?確かにそこの一角は倒壊させたはず!」 ショウは展開の急変に理解が追いついていない。 「これって…もしかしてエイタが1人で支えてんの?」 ケイトが信じられないという風に確認する。 「そうよ。ついでに、今その辺の資材で応急処置してるらしいわよ。ほら、音が聞こえるでしょ?」 確かに外から何かを打ち付ける音や曲げるような音が忙しなく聞こえてくる。 「ただ…」とシノが続ける。 「さすがに全ての作業を1人でしてるから、こっちには来られないらしいわ。」 「まあ、そりゃな。ワイパー最強といえどそれ以上は無理だわな。」 「…って、アンタ!その足!!」 ここで初めてシノがケイトの右足に気付く。 「ん?ああ、やられた。足はすぐ冷凍保存したから、たぶんくっつくよ。」 「大丈夫なの!?よくそれで戦ってたわね。まあ、アンタの…」 不意をついてシノをレーザーが襲う。 「おい!俺を置いて話を進めんじゃねぇ!」 ショウはなかなかイラついているようだ。 だが、展開されていた鏡の破片がそれを阻んだ。 「ちっ…」 ショウが舌打ちする。 「私はアナタとの相性はいいみたいね。」 シノはいじわるく微笑む。
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