氷+鏡+最強

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「何かしてくるぞ!シノ、気をつけろ。」 ケイトが立ち上がり、再び戦闘体制にはいる。 シノは顔だけで振り向いて答える。 「心配ないわ。やつのレーザーは私の鏡を貫けな…」 そこまで言って、シノの顔に驚きの色が浮かぶ。 見るとシノの左の太腿を一筋の光が貫いていた。 「シノ!!」 ケイトが名前を叫ぶ。 シノはすぐに飛び退き退避する。 その回避行動でさらに傷が走る。 「ぐっ…!」 シノの顔が苦痛に歪む。 飛び退いたシノはケイトの側に着地する。 太腿から血が溢れている。 「なぜ…鏡を…貫いて…」 シノは未だに今起こったことを信じられずにいた。 ショウは相変わらずニヤついている。 「CO2レーザー…って知ってるか…?それはな…鏡をも切断できるんだ。俺は…何年ものトレーニングでこれを身につけた。」 ショウは急に疲労の色が濃くなった。 つまりこの技はそれだけの集中力を使うということ。 それに加えて脳への負担も大きいのだろう。 「どうする?お前の鏡は無駄だぞ?」 ショウは勝ち誇ったような顔で言葉を投げかける。 「それでも…それでも、諦めはしな…って…ひゃん!」 シノが悲鳴を上げる。 その原因はケイトだ。 なんと彼はシノの左太腿に両手を這わせていた。 ショウまでも言葉を失っていた。 「ちょっと!な、何して…こんな時に…」 真っ赤な顔でシノが暴れる。 「動くなって。」 それだけ言うとケイトは両手に力を込める。 すると傷口が氷に包まれていく。 「あ、止血か…」 シノが納得する。 「なんだと思ったんだよ。それより…」 ケイトがシノに耳打ちする。 ショウには聞こえない声でケイトは作戦を伝える。
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