氷+鏡+最強

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それに留まらず凍らせた両手を地面に押さえ付け、シノに叫ぶ。 「シノ!いけぇ!」 シノは両手を地面につけた姿勢で待機していた。 そう、この技は、 「鏡面牢(ミラージェイル)!!」 前回、怪盗パピルスを捕らえた技だ。 だが今回は人を包囲するような巨大なものではなく、ショウの押さえられた両手を覆う程度の小規模なものだ。 ケイトが押さえていた手を離し一歩退く。 ケイトが飛び出してからここまでたったの10秒。 「はっ!鏡は無駄だと言っただろう!こんなもの…」 ショウは鏡面牢の中でCO2レーザーを撃とうとしてるようだ。 しかし、 「ぐあっ!!なんだ!!?なぜ貫通しない!!?」 レーザーは貫通しなかった。 それどころか中で反射してショウの手を貫いたようだ。 「シノ、成功だな。」 ケイトが笑いかける。 「今あんまり話しかけないで。それ維持するの結構疲れるの。早く氷漬けにして。」 シノの顔には汗が浮かんでいる。 「じゃあ、俺が説明してやろう。」 そう言ってケイトが語り始める。 「本来の"鏡面牢"は能力自体を跳ね返す鏡でできている能力者捕獲用の技だ。その効果を極限まで濃縮して作ったのがその小型"鏡面牢"さ。」 ショウは改めて両手を捕らえる箱を見る。 「たとえCO2レーザーでもそれが能力である限り反射させる。俺たちの勝ちだ。」 ケイトがショウを氷漬けにしようと手を伸ばす。 ショウは何かを迷っているような顔をしていたが、それを見て迷いが消えたようだ。 突然、覚悟を決めたように箱に込められた両手を見る。 「ぐぁあ…!」 再び声をもらす。 どうやらまたレーザーを試したようだ。 だが今度はさっきとは違う結果だった。 ショウが右手を持ち上げる。 「な!?お前…!」 ケイトが後ずさり、顔に狼狽の色が浮かぶ。 レーザーの目的は"鏡面牢"の破壊ではなかった。 ショウは自分の手首にレーザーを撃ったのだ。 そして右手首から先を切断したのだ。 傷口から血が滴る。 「はぁ…はぁ…お前らの読み通り…俺のレーザーは…手の末端部からしか出せない…」 ショウはそう言いながら傷の断面をケイトに向ける。 「そう…末端なら指でなくてもいい…!レーザー…砲(キャノン)!!」 2人の間に光が破裂する。
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