氷+鏡+最強

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ケイトが胸部にレーザーの直撃を受ける。 貫かれたわけではない。 あまりに大きなレーザーの塊だったためケイトは後方に吹き飛ばされた。 10mほど飛ばされて、シノも巻き添えにあって、2人揃って倒れこむ。 「いってぇ…」「あ…!」 シノの集中が切れたため、"鏡面牢"は解除された。 床から解放されたショウはふらふらと立ち上がる。 ケイトはまだうずくまっている。 肋骨を何本かやられたのだろう。 今のケイトに回避行動は不可能だ。 (私が…やるしかない。) シノは決心してケイトの前に立つ。 「かはっ…シノ…逃げろ…CO2レーザーは防げないだろ。」 ケイトは立ち上がろうとするが、再び倒れこむ。 能力者といえども限界がある。 ケイトは血を失い過ぎてしまった。 「アンタは私のパートナーよ。守ってみせる。大丈夫よ、大事なのはイメージでしょ?」 シノは2人を覆い隠すほどの鏡を出現させる。 「CO2レーザー…砲(キャノン)!!」 ショウが渾身の一撃を放つ。 倒壊寸前の廊下に轟く光と衝突音。 あまりの衝撃に壁に亀裂が走る。 鏡は、耐えていた。 レーザーを受け止め耐えている。 拮抗しているように見えるこの状況。 だが実はそうではない。 レーザーとの接触面がだんだん赤くなっていく。 「これは…熱…?」 鏡が熱変形していく。 「俺の勝ちだな!2人ともビルの外までぶっ飛ばしてやる!」 ショウが勝利を確信して叫ぶ。 (そんな…私1人じゃ、ケイトすら守れないの…?) 「ゴメン、ケイト。アナタだけでも助かって。」 シノは諦めケイトだけでも反射鏡で守ろうとする。 「シノ、何謝ってんだ?」 ケイトが突然立ち上がる。 「寂しいこと言うなよ。俺達はパートナーだろ?お前だけを死なせたりはしない。まあ…」 ケイトは鏡に近づいていく。 「そうそう死なんけどな。」
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