氷+鏡+最強

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すると迷わず赤く熱変した部分に手をつく。 ジュッ、と手の表明が焼ける音。 ケイトは歯をくいしばり言葉を続ける、 「冷却は得意分野だ!シノ!跳ね返すぞ!」 ケイトの周囲で冷気が渦巻く。 熱を失うごとに熱変形した部分がどんどん色も失っていく。 (これなら…勝てる!) シノは確信した。 これでは消耗戦になると理解したショウは攻撃を止める。 双方を隔てていた鏡が音もなく消える。 ケイトはシノに支えられてやっと立っている状態だ。 ショウも大量の出血でふらふらだ。 「俺はそろそろ限界みたいだ…だが、お前達も次の一撃をもう防げないだろ?」 ショウはそう言って氷が溶け自由になった左手を2人に向ける。 「耳を…すましてみろ。」 不意にケイトが言葉を投げる。 一瞬の静寂。 確かに静かだ、物音一つ聞こえない。 「…だから何だと言うんだ!また時間稼ぎか!」 「ちげぇよ…俺達の勝ちってことだよ。」 そう言ってケイトはシノに寄り添われながらショウに歩きだす。 「はっ…戯言を!これで終わりだ!死ね!!」 5本のレーザーが2人を襲う。 シノも鏡を展開しなかった。 なのに、レーザーは2人を避けて壁を抉る。 「!?」 ショウは信じられないようで何度も何度もレーザーを放つ。 だが結果は同じ。 全て、壁に当たって終わる。 ついに目の前まで迫る。 「…お前は…どこかで…道を誤った…」 ケイトは悲しげにそう言うとショウの顔面に渾身のパンチを叩き込んだ。 ケイトもふらふらだったがそれでもショウは廊下の端まで殴り飛ばされた。 今度こそショウは気絶して動かなくなる。
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