氷+鏡+最強

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「エイタ、ありがとう。こっちは片付いたわ。」 シノが無線で礼を言う。 〈大丈夫か?ちゃんとレーザーは当たらなかったか?〉 そう、先ほどレーザーが当たらなかったのはエイタの能力のおかげである。 彼のテレキネシスでレーザーの進路を力づくで曲げたのだ。 「ええ、全く問題なしよ。掠りもしなかったわ。」 〈それはよかった。で、ケイトは無事か?〉 「あんまり…無事とは…言えねぇな…」 苦笑しながらケイトは答える。 「それより…エイタは安達さんを…迎えに行ってくれ。」 〈あ、そうだった!忘れてた!〉 〈ははっ、了解。〉と笑ってエイタは通信を切る。 「ふう…」 通信が切った途端、ケイトは膝から崩れ落ちる。 「ケイト!」 それをシノが抱きとめる。 ケイトの体が冷たい。 「ちょっと、ケイト!大丈夫!?まさか、死なないよね!?嫌よ、そんなの!」 泣き出しそうな顔でシノが呼びかける。 ケイトはただ微笑んで 「ちょっと疲れた…おつかれ、シノ…」 そういうとケイトは目を閉じた。 廊下にはシノの泣き声だけが響いていた。
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