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そう言うなり怪盗は懐から紙を数枚取り出すとそれを男に投げつけた。
その紙はなんと空中でナイフへと形を変え男に襲いかかった。
男は飛んでくるナイフを悠然と避けながら怪盗に向かって行く。
「情報通りだな。紙の能力で間違いなさそうだな。」
「っ!!」
能力者にはそれぞれ固有の特殊能力がある。
能力が相手にバレることは不利でしかない。
その能力の弱点もそれでハッキリしてしまうからだ。
怪盗の顔に焦りが浮かぶ。
すると怪盗は大きな紙を出し男に向かって投げつけた。
それも空中で形を変え、路地の幅いっぱいの大きさの巨大なナイフになり、男を貫かんと向かっていく。
「これは…避けられんな。」
そういうと男は手を前に出した。
すると手の周りで空気が動きだした。
手の周りで光が煌めく。
「氷剣(フリーズソード)!」
次の瞬間何も持ってなかった彼の手に剣が現れた。
その剣は氷でできていた。
「貴様!能力者か?」
さすがにこれには怪盗も驚いた様子だ。
そしてその"氷剣"で横薙ぎに巨大ナイフを斬り払った。
「能力者相手にただの人間を寄こすわけないだろ?」
男は笑みを浮かべながら歩みを進める。
「ちっ…」
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