氷と鏡のコンビ

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これ以上の戦闘は面倒だと怪盗は逃げようとする。 「逃がすかよ!」 男は氷剣を地面に突き立てる。 すると地面が凍りだした。 氷が怪盗を追い、その足を地面に固定した。 「ふん。」 だが怪盗はやすやすと氷の足枷から抜け出した。 「"肉体変化"か…」 怪盗の足は薄っぺらくなっていた。 まるで足が紙になったかのように。 「なるほど…体を薄くして建物に侵入してるってわけか…」 「ふっ、私を捕まえたいなら完全包囲でもすることですね!」 怪盗はマントを翻し再び走りだそうとした。だが、 「ぐっ!」 まるで見えない壁に衝突したように弾き返されてきた。 怪盗はキョトンとして座り込んでいる。 「お?追いついたか。」 男の隣に女が着地した。 男がコートの下に着てるのと同じ制服を着た、長い黒髪の美少女は男に向き直ると、 「このバカケイト!動くなって言ったでしょ!」 「いやぁ…まあまあ、落ち着けよシノ。だってさ、ほら、余裕だと思もってさ…」 この氷を操る男、ケイトはおどおどしながらシノに答えた。 「全然余裕じゃないわよ!現に今も私が"壁"作らなかったら逃がしてたじゃない!」 「さすがに逃がしはしないよ…」 2人のその隙をついて怪盗は奥の手を発動した。 怪盗はスーツの上着を開いた、するとその内側にはビッシリと人型に切った紙が並んでいた。 「行け、我がしもべ達よ!」 怪盗が命令すると一斉に紙人形達は2人めがけて飛んでいった。 「お?」「何?」 2人は慌てた様子で防御しようとするが体にどんどん紙人形が張り付いていく。 あっという間に2人は体を紙人形で覆われてしまった。 「ふっ、苦しいでしょう…完全に密閉されていますからね。」 怪盗は少し大きめの紙を取り出した。 それは一振りするとに剣へと姿を変えた。 「まずは能力の分からない危険要素…女、アナタからです!」 そう言うなり怪盗はシノの方に切りかかった。 怪盗はシノを紙人形ごと肩口から袈裟斬りにした。 ところが、 「空…だと…?」
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