B.color.2 「………どーん」

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実家に来るのは去年の夏、隼人と一緒に来て以来だ。 「着きましたよ」 そう言って安藤さんが扉を開けてくれる。 お礼を言って車を下りる。 山の中腹辺りにある大きな屋敷。 どこからどう見ても日本式のその屋敷が、私と隼人の実家だった。 「俺は車置いてきますんで、ちょっと待っててください」 一緒に行きましょう、と安藤さんは車を置きにいってしまう。 「………あ、荷物……」 車に乗せたまんまだと気づくが、安藤さんが持ってきてくれるだろうと諦める。 「………」 首を動かして自分の実家を見上げる。 子供の時はなんとも思わなかったけど、やっぱ大きいなぁ…… 「よぉ、嬢ちゃん」 「なにしてんだ?こんなとこに来るなんてよぉ」 ボケッと屋敷を見上げていると、二人の男が声をかけてきた。 ぴっちりとしたスーツを着ていて、人目でカタギではないと分かる。 ____まぁ、目の前の家の組織員なんだけど。 こうゆうのがいるのがウチだったりします。 「なぁ、無視してんじゃねぇぞこら」 さて、どうしようか。 名前を言えば引き下がるとは思うけど____ 「こんの、馬鹿どもがぁぁぁぁああぁあぁあああ!!」 「「ぶへらぁ!?」」 「………わぉ」 怒号とともに目の前の二人が5メートルほど吹っ飛ぶ。 見事な飛び蹴りだった。
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