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実家に来るのは去年の夏、隼人と一緒に来て以来だ。
「着きましたよ」
そう言って安藤さんが扉を開けてくれる。
お礼を言って車を下りる。
山の中腹辺りにある大きな屋敷。
どこからどう見ても日本式のその屋敷が、私と隼人の実家だった。
「俺は車置いてきますんで、ちょっと待っててください」
一緒に行きましょう、と安藤さんは車を置きにいってしまう。
「………あ、荷物……」
車に乗せたまんまだと気づくが、安藤さんが持ってきてくれるだろうと諦める。
「………」
首を動かして自分の実家を見上げる。
子供の時はなんとも思わなかったけど、やっぱ大きいなぁ……
「よぉ、嬢ちゃん」
「なにしてんだ?こんなとこに来るなんてよぉ」
ボケッと屋敷を見上げていると、二人の男が声をかけてきた。
ぴっちりとしたスーツを着ていて、人目でカタギではないと分かる。
____まぁ、目の前の家の組織員なんだけど。
こうゆうのがいるのがウチだったりします。
「なぁ、無視してんじゃねぇぞこら」
さて、どうしようか。
名前を言えば引き下がるとは思うけど____
「こんの、馬鹿どもがぁぁぁぁああぁあぁあああ!!」
「「ぶへらぁ!?」」
「………わぉ」
怒号とともに目の前の二人が5メートルほど吹っ飛ぶ。
見事な飛び蹴りだった。
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