B.color.2 「………どーん」

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「うらぁわれ!なにしとんじゃぼけがぁ!」 ふーふーと息を荒立てて、蹴り飛ばした二人を見るのはこの家の総家政長、安藤泰江さん。 私はヤスさんと呼んでいる。 ちなみに安藤さんとは夫婦だ(安藤は安藤朱雀という)。 「申し訳ありませんお嬢!うちのボケどもがご迷惑を!」 はわわと私の手を握るヤスさん。 「………いや、まぁしょうがないですよ」 「あ、なんと優しい……」 「…………なにやってんですかこれ」 戻ってきた安藤さんが冷たい目を向けてくる。 「あら遅かったわね」 ゆっくりとヤスさんが立ち上がり安藤さんを見る。 「アンタがくんの遅いからこうなんのよ」 「しょうがないだろ、車置かなきゃいけないんだから」 ちらりと状況を見て理解したのか、ぽりぽりと頬をかくヤスさん。 「まぁいいよ。では入りましょうかお嬢」 「………あ、うん」 「あぁ、お前らはクビな」 「「えっ!?」」 ぼーっと私たちのやりとりを見ていた二人に冷徹に告げた安藤さんは、門を閉める。 「………あの、いいんですか?」 「いいんです!お嬢に牙を向くとは恥知らずなやつらですから!」 グッとこぶしを握って言うヤスさん。 「まぁそんな感じですから」 ぐっと親指を立てる安藤さん。 あいかわらず息ぴったりの夫婦だな~…… ______________________________。
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