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「あったかいお茶です」
コトリと目の前に置かれるお茶。
「………ありがとう」
「いえいえ。長く車にいて疲れたでしょう」
「………そうでもないよ。安藤さん運転上手いし」
「それはそれは。うちのが聞いたら喜びますよ」
私たちはとりあえず居間でゆったりとしていた。
ホントはいろいろと挨拶する相手がいるんだけど、とりあえずとヤスさんに薦められてしまったので。
ちなみに安藤さんは私の荷物を部屋に置いてきてくれている。
「どうです元気でやれていましたか」
「………うん。特にけがも病気もしなかった」
「あー……ほら、あのあとも……?」
「………あのあと?」
急に歯切れ悪くなるヤスさん。
すごく言いにくそうによどむ。
「あ、いや……やっぱりなんでもないです。元気ならよかったですよ」
「………うん」
ごまかすようにかぶりを振る。
なんだったんだろう。
「………ん、落ち着く……」
お茶を一口飲む。
相変わらずヤスさんのお茶は美味しかった。
「それは良かったです」
にっこりとヤスさんが微笑む。
「ねぇ~、ヤスさん~!?」
と、そこで可愛い声が響いた。
これは……柚季だ。
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