キノコが生えました。

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「別に昨日の事をやり直すとかじゃないから」 と、俺の思考を読んで居るかのごとく朝霧は言った。 「エスパー?」 「……違うと思う」 彼は少し考えてから答えた。 「俺も、夕川の事が好きだ」 昨日はゴメンな、と柔らかく微笑む朝霧。 1時間前にはもう一生見られないんじゃないかと思った彼の姿がここにある。 「付き合わないか?」 そして信じられない言葉まで口にした。 ……まさか。 あのキノコは、食べた相手を惚れさせるんじゃないだろうか。 落ち込み過ぎてた俺への神様からのプレゼントとかそんな感じの! ファンタジーな想像を繰り広げていると、 目の前の朝霧はまた眉をひそめ、怪訝そうな表情を浮かべた。 「は、吐き出すんだ!」 思わず俺は叫んだ。 「何だよ、いきなり」 ……だって、だってさ。
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