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一切れ目を口に運ぶ。
舌に触れた瞬間、彼の顔がほころぶ。
バター醤油って旨いよね!
半日以上振りの眉をしかめない彼の表情に、俺もつられて口元が緩む。
「うん、旨い」
「だよね!」
俺の勢いにか、彼は笑った。
ああ、やっぱ好きだ。
その顔がたまらなく。
友達でいいから、これで仲直りって事でまた隣にいても許されないかな。
一緒に笑えるならそれでいいや。
一番傍でこの笑顔を見られるなら。
もっと見ていたい。
そんな俺の願いもむなしく、朝霧は呆気にとられたような顔になった。
でもその眼はしっかりと俺を見ている。
「何?俺の顔に何かついてる?」
まさかキノコとか?生えてる?
……あー、でもそういう表情もいい。
好きだ。
結局のところ、朝霧なら何でも。
無視じゃなきゃ怒っててもいいや。
不機嫌上等!
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