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―― RIVIRO
―― アレウス宅
「こんなモノ持ってくの?」
私はアレウスに冷たい視線を送った。
私達は今、リビングで日本へ発つ為の準備をしてる。
キュイラスさんも一緒に来るとかでキュイラスさんも手伝ってくれてるんだけど…。
アレウスがさっきから不必要なモノばかりを持って来て、鞄に入れようとしていた。
因みに、今私が見つけたのはかなり大きな懐中電灯。
「万が一の時に備えて」
「アレウスはバカなの?」
「楓ちゃん、アレウスはバカじゃなくてアホなんだよ。 そもそも懐中電灯なら腐るほど向こうにあるでしょ、万が一ってどんな時だい?」
キュイラスさんが私から懐中電灯をとり、アレウスに渡しながら尋ねる。
「富士樹海にある洞窟がひっそりと口を開けて俺を呑み込もうとする時とか」
「ごめん、圏外すぎて言葉が見つからない…」
「なんだ、大気圏外か?」
「そうだね、それ位予想外だった」
「流石は俺。 酸素要らずだな」
「分かったから黙って用意しろ」
相変わらずな2人のやり取りを微笑ましく眺める。
結婚式を挙げて2年。
近くでアレウスを見てきたけど、アレウスの考えはズレてて…有り得ない事を考えてる時があると知ったのは、つい最近。
真顔で真面目に言うんだから逆に笑えてきちゃうレベルだったりする。
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