☆第2話

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  ―― キュイラス side 俺とアレウスが初めて出会ったのは…俺達が6つになる年。 当時、俺は家督を継ぐ者が先祖代々通った小学校に行く為に北イタリアから南イタリアに来たばかりでね。 俺が滞在していた別荘は、アレウスが住んでいたスラム街の近くにあったんだ。 ちょっとした山の向こう側にスラム街があるって感じでね、子供の足でも片道で1時間半程度、歩けば着くような距離だったよ。 俺とアレウスが出会ったのは本当に偶然だったんだけどね。 意気投合した俺達は仲良くなって、アレウスはその山を越えてよく遊びに誘いに来てくれたよ。 俺も屋敷の抜け穴を通ってよく遊びに行ったもんさ。 それでね、11歳になるまでずっと……俺はアレウスを女の子だと思ってたんだよ。 「……え? アレウスを?」 うん、今のアレウスしか知らないならその反応は正解だよ。 「アレウスの少年期はね、ベリィちゃんを凌ぐくらいに……そりゃあもう可愛かったんだよ」 「……アレウスが…」 「髪は切りに行けなくて長かったし。 名前は初めからあだ名で呼び合ってたし…」 不覚。本当に、不覚。  
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