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「違うヨ! あれは姉の彼氏を妹が略奪しようとしてて、だけど実は彼氏は姉妹の義理の母親の元恋人で、彼氏は彼氏で母親を略奪しようと…」
「お前はどんだけドロドロのドラマを見てるんだ!」
確か昼にやってるドラマだろう、真っ昼間からそんなドロドロしたドラマを放送していて良いのか?!
「大姐様(オオアネ)いわく…セレス姐様はピュアだと」
しまった。
私としたことが…シャロンを放ったらかしていた。
「ピンクな色恋に身を投ずセレス姐様もまたイイ! キュイラス様と溢れんばかりの奇抜いショッキングピンクの恋絵巻を!」
眼帯をした私より厳つい容姿で何を抜かしているのだ。
「ええいっ! うるさいぞ! サボっていないでお前達は甲板の掃除でもしていろ、たわけ共!」
怒鳴り声をあげると2人は小さく体を跳ねて駆け足で去っていく。
全く……春も直ぐそこだからか、クルー達が色めき立ってしまっているじゃないか。
私の憂鬱な時期の到来、か。
第3話 完
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