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ーー 翌朝 RIVIRO
ーー メディカルエリア
あれから私とアレウスはすぐにツリーハウスを後にして、日を跨いでウォッドアイランドに急いで帰って来た。
聞いた話では、セレスさんは7日前に海に落ちて意識不明の重体でメディカルエリアに運ばれ、一命を取り留めたけれど意識が戻らないらしい。
それを良しとしなかったのは、セレスさんが率いる船のクルー達。
なんでもセレスさんをよく知るクルー達が言うには、海に転落した状況はセレスなら絶対にあり得ない状況だったと。
原因の解明を求めて、船団全員で抗議しに来たらしい。
アレウスは隊服に着替えずにキュイラスさん、シグルドさんと一緒にシャロンさん達の元へ向かった。
私はと言うと…。
「セレスさん…」
セレスさんの病室を特別に訪れていた。
酸素マスクを付け、ベッドに静かに横たわるセレスさんに言葉が出ない。
どうして…あんなに強く頼れるセレスさんが…こんなにも…。
セレスさんの名前しか呼べない…セレスさんは私を助けてくれたのに私はセレスさんを助けられない。
歯痒い。悔しい。虚しい。
「グットモォニィィング、楓さぁん」
「き…っ!!」
目の前にドアップでジンさんの顔が突然現れ、叫び声を上げそうになるけど自分の手で口を塞ぎなんとか防ぐ。
「おー…偉いですねぇ、流石は楓さぁん」
「ジ、ジンさん…!」
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