愛しい手紙

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「色々ありがとうって思っている部分もありますが正直憎んでいると思っている部分のほうがはるかに大きいです。 僕はもう考えることに疲れてしまいました。 この年まで頑張ったのですが結局無理でしたね。 なんで僕は生まれてきたのでしょうか。 よく人はいいます。 生まれてきたのには何か理由があると。 僕には価値があったかもしれません。 でも、僕にはその価値を見つけるほどの忍耐力はありませんでした。 そして、この世には存在してはいけない人間になってしまいました。 よく人はいいます。 誰にだって辛いことだってかなしいことだってある。 でも、ほんのすこしのいいことの為に生きているんだと。 僕はほんのすこしのいいことを小さい頃から感じることができず、今日まで生きてきました。 なぜ、僕が存在してはいけない人間なのか。 幼少時代から幸せを感じることができなかったのか。 鈍感なあなたたちは気付くことが出来なかったでしょう。 あなたたちの為に順を追って説明しましょう。 あなたたちを傷つけることになりますがそれが僕の目的でもあるのです。」
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