プロローグ

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意匠に凝った机には、豪華な料理が並べられ、それを囲むようにドレスやスーツを着飾った人達が賑わっている。 私は父上様に手を引かれて、その人達の前に立たされた。自然と私に視線は集まっている。 なんだか、怖い……。 「レベッカ、お誕生日おめでとう」 父上様の言葉を境に、割れんばかりの拍手が鳴り響く。 少し間を開けて、父上様は片手でそれを制すと、私に大きな石を手渡した。 それは、父上様の片手に収まっていたけど……私は両手で受けとらないと無理みたい。 落とさないように大事に抱ると、父上様は、 「それがなんだか分かるな?」 と、優しく問いかけてきた。 私は首を縦に振ると、その石に、身体から血が流れるように意識しながら優しく手で包んだ。
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