プロローグ

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石から発せられた光が、手の隙間から溢れ出る。それは次第に強くなり、耐えきれなくて眼を瞑った。 なんの属性なのかなー? 綺麗な水が良いなー。 私が期待の気持ちを膨らませていると、ざわめく声が聞こえてきた。 不安になって急いで眼を開けると、そこには―― 石の割れ目から顔を少し出している蜥蜴(トカゲ)さんが居た。 えっ? 私は思わずそれを手放すと、地面に落としてしまった。 火属性なら赤。 水属性なら青。 風属性なら緑。 雷属性なら黄。 土属性なら茶。 その他にも特殊属性はあるみたいだけど……全ては石の色が変わるだけ。 五歳の誕生日。私がこの世界の人達と異なっている事を初めて知った。 いや、思い出した。
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