イッグヴォルフ戦記

雪の降る中、ロングコートを着た老年の男は、その石碑に向かって目を細めて「また、この季節が来たのぉ」っと呟くと石碑に積もっている雪を手で退かし濡れた手をコートの裾で拭いた。おもむろにタバコに火をつけ石碑の前に線香の様に立てると空を見上げる霞みかかった対面の町の光はやがて透き通る様に宇宙に変わっていく。コートの老年の男は満天の星空に目を細た……

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