第七幕「この胸の苦しい想いは」

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--------------------------------------------------------------------------------- その朝、アリエルは目覚めた。 なんてことないいつもの朝。 けれど、頬には涙を流した後があった。 ベットから起き上がると、その涙の後を手で覆った。 「なんだろう、この、涙」 二段ベットの下ではルームメイトのレイナが眠っていた。 時刻はまだ朝の5時、起きるには少し早い時間だった。 けれどもアリエルはなんだか不安になって、急いで制服に着替えた。 外は薄暗く、その日はなんだか空がうす雲っていて、それが余計に 気分を暗くさせた。 「雨が、降りそうね」 そう言ってアリエルは、自室を静かに出ていった。 ---------------------------------------------------------------------------------
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