第七幕「この胸の苦しい想いは」

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--------------------------------------------------------------------------------- 古びた協会を住処にしてたルナは、そこにとある儀式場を用意していた。 それはルナがあらかじめ用意しておいた、この世界を崩壊させる鍵だった。 特殊な印を施していたその部屋を解錠し、中に入るルナ。 白色のペンキで描かれたそれは、まるで魔方陣のようであった。 そしてその中心にまでゆっくりとルナは歩き、そして小さな吐息と共に、 歌い始めた。 それはラテン語で、やさしい子守唄のようなニュアンスで、 そのか細く透き通った声が、古びた協会に響いた。 そしてその魔方陣を中心に、世界が歪んだ。 雲が渦を巻き、地面に亀裂が入り、まるでそれがレクイエムであるかのように、 ルナの唄が世界に鳴り響いていた。 ---------------------------------------------------------------------------------
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