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世界は崩壊していた。
ルナはしばらく唄を続けていたが、急に息苦しくなってそれを中断した。
呼吸困難に陥り、そして目を見開いた。
「なんなの、この、どす黒い感情は…、悪意、なんて圧倒的な悪意…」
ルナがはっとして外を見る。
外は暴風になりつつあり、荒れ果てていた。
「アリエル?違う、アリエルに似ているけれど、これは全く別の…」
「痛っ!!」と声を吐き出してルナが頭を抑える。
「なにこれ…、ずっと干渉されていた?私の大クラフトに?そんな…」
雷が、暗い教会を一瞬眩く照らす。
「シキが、あぶない」
そう言ってルナが協会の入り口へと振り返る。
また、雷が光る。そして、その影が一瞬あらわになる。
「貴方は…」
その影はゆっくりとルナに近づく。
そしてルナのすぐ近くまで来て止まる。
「ありがとうルナ、貴方は数少ない邪魔者だったの、
反則とか、話にならないとか、
いろいろあると思うけれどごめんね、
全部私が仕組んだことだったから」
その影は、にたりと、悪意をこめてルナに笑みを浮かべる。
ルナが呆然としてその影を見つめる。
「グッバイ、ルナ、貴方の大切なんて、最初からなかったのよ」
次の瞬間、ルナの姿がノイズ交じりに消えていく。
影の人物はルナに両手でバイバイと言わないばかりに、手を
かざして左右に移動させる動作をしていた。
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