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長身の人影が、律儀に低い声で名称を名乗り、質問をしてきた。
ルナはナインスカル、という名称に心当たりが合った。
古くから異能力者と呼ばれる者たちで構成された情報組織で、
骸骨の頭部をモチーフとした装飾に身を包んだおかしな集団だ。
元々はプロパガンダを目的とした組織であったが、現在は武力を持って
世界に対し独自の思想をもって介入する国家を持たない戦争屋の
ようなことをしている。
「私はシャンドラの仲間ではないわ、けれど今は協力している、
ある目的のために」
そう、ルナは曇りなく言った。
それを聞いた小柄な人影、赤みかかったくせ毛に、少しそばかすの見える女は
笑った。
「はは、嘘を言えばいいものを、自信満々ですね、まあでも、
私たちは貴方をすぐに殺そうってわけじゃないので、
安心してくれればいいです」
ぎり、と小柄な女が歯をかみ締め、そして続けた。
「ですがですよ、あの世界では奇襲をかけたつもりだったんですが、
あのヘレンとかいう女に邪魔されちゃいまして、
私すごくイライラしているわけですよ」
小柄な女がルナに近づく。
「言っている意味がわからないわ」
ルナは冷静に言葉を交わす。
小柄な女がルナのすぐ目の前で立ち止まる。
「こちらに戻ってきたシャンドラを殺すのを、邪魔するなよって、ことですよ」
ドスの聞いた低い声で小柄な女が言った。
ルナはそれを聞いてぽつりとつぶやいた。
「無事に、戻ってこれたらね」
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