28人が本棚に入れています
本棚に追加
「なるほど…、罰、そうかもしれません、無知なわたしたちはそれを
知らない、では、無知でなければ知れるのですか、わたしたちは、
わたしたちの罰そのものを…!」
フレヤが強くアグリアに問いかける。
「どうかな、罰を忘れた大衆は、考えることすらも止めてしまった、
では無知ではなく、それを知った時、罰そのものが意味を持つとして、
君はどうしたいんだ」
問いかけに、問いかけで返されてフレヤは言葉に詰まる。
「わかりません、けれど、この罰という箱を開けてしまうことは、
なんだか恐ろしいことのように思います…」
フレヤが神妙にうつむく。
「そうだね、けれどそれを「開けたい」と考えている輩がいてね、
ま、それについてルナとシャンドラが会議をしているところさ」
アグリアはそう言ってフレヤにひらひらと手を振ってキッチンへと向かった。
取り残されたフレヤはぽつりと呟いた。
「でもきっと、考えることを止めてしまった方が良かった、少なくとも、わたしとあの人は…」
最初のコメントを投稿しよう!