美術室で

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入学式、当初は友達になろうと声を掛けてくれる相手もいたけれど、流行に疎い私には、内容がちんぷんかんぷん、絵のことを話したら、相手がちんぷんかんぷんで、お互いに疑問符が飛び交い、いつのまにか、私は教室の中で一人ぼっちな定位置に収まり、曰く、一人が好きな人、趣味に没頭する人という、間違ってるようで妙に合ってるレッテルを貼られてしまった。 「仕方ないよね」 イジメを受けてるわけでもないし、小学生も中学生もずっと、一人ぼっちだったんだから、高校生になっていきなり変わるなんて出来過ぎている、むしろ、趣味の時間が増えていいのだから、好都合。 放置、ぼっちで最高じゃないか。 「……でもな」 どこか虚しさが募る、そう、真っさらで色がない、ぽっかりと穴が空いた感覚。 もし、小説なんかでは、押しの強い先輩や小悪魔みたいな後輩、意地悪な同級生がいるのかもしれないけれど。 「そこまで、都合よくいくわけもない」 ぽつぽつと、廊下の隅っこを俯き気味に歩きつつ、自問自答を繰り返し。
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