キャンバス

美術室で

そんな私を尻目に隣の席に座り、ビニール袋をがさごそと漁っている。

「な……何するんですかいきなり……」

「何するって、副部長から辛気臭いオーラ出てたから、元気づけようかと、いる？」
部長は、缶コーヒーを手渡してくる。

「美術室は、飲食禁止です」
受け取りを拒否しつつ、注意したけれど、部長はニヤッと笑い。

「美術室の机に置かれてた、俺のみたらし団子、勝手に食べてたの誰だっけ？」

「…………知りません」
食べたのは、私でしたとは言えない、言ったら、きっと、弄られる。

「ほらほら、副部長も食べないの、みたらし団子あるよ、副部長、好きだもんね、みたらし団子、一人で三本、独り占めするくらいにね、美味しい物はみんなで分け合うのが基本なのにね、うちの部の副部長は食いしん坊だなーやれやれだ」
確信しているであろう、部長はケラケラ笑いつつ、みたらし団子のタッパーを開けて、一本、取り出し。

「ああ、美味い、めっちゃ美味い」
一口、頬張ることに、わざとらしく言う。