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横目でチラリと見て、ダメとそらす、規則は守らないと、『イケナイ』ことだから、美術室は飲食禁止だ、でも……。
「…………」
美味しそうだななんて思う、私もいて妙に身体がもじもじして、母親に似合うからと、無理矢理、連れていかれた美容院で、ショートカットにした毛先を、くりくりと意味もなく指に絡ませてみたり、小さめ眼鏡のフレームを上げて角度、調節して、トドメに、一昔前に流行った団子三兄弟がノートにビシッと描かれ、あの聞き覚えのあるフレーズが流れて来そう。
「こ……今回だけですよ」
なんて、言ってしまう私がいて。
「今回だけって? 副部長なんかすんの? 楽しみだな、さ、どうぞ、俺はみたらし団子でも食べて見学しとくから、はいはい」
うぐぐと、奥歯を噛み締める、ニヤッと笑う部長は、わざとらしさを隠すこともない、きっとわかっているから。
「なんて言えばいいんですか……」
ギブアップ、お手上げだった、この意地悪部長に敵うわけがないんだ。
「ここは、素直にさ、食べさせてください、部長で、オッケー?」
部長は小悪魔を通り越し悪魔だ、黒い尻尾でも生えてるんじゃないだろうか。
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