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生唾を飲み込む、ググっと握り拳、耳が赤く染まる。
「あ、もちろん、こっち向いてね」
部長と向き合い。
「部長……」
「はいはい?」
ニヤッと笑みをこぼす、部長
「食べさせてください」
卑しいと思った、みたらし団子くらいでこんなことすることが凄く、卑しいけれど、ここまでお膳立てされたら、断ることができない、今回だけという言葉を部長が放置するわけがない、私が何かするまで、弄り続ける魂胆で、そんな私を、ケラケラ笑う部長の姿が容易に想像できる。
「はい、副部長」
部長は、私の口元にみたらし団子を持ってくる、ぽかーんとほうけつつ、受け取ろとすると。
「違うって、食べさせてあげるから、口、開けて、ほら」
開いた口が塞がらないとはこのことかもしれない。
「…………」
「だって、副部長、『食べさせください』って言ったじゃん、まったく、食いしん坊の甘えん坊さんめ」
誰が、言わせたんだ、あなたでしょうと言いたい、本当に悪魔みたいな人だ、ゆるい甘言で惑わしてくる。
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