二.満月の夜に

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私は朝日が眩しくて目を覚まし、 何気なく辺りを見渡して改めて実感した。 (ああ、私、本当にタイムスリップして来ちゃったんだ…。 みんな心配してるかな…。) そんなことを思いながらぼんやりしていると、 ふいに近くから土方さんの呻きが聞こえた。 視線を落とすと、すぐ近くに土方さんの寝顔があり、 2尺分ほどの距離をあけて敷いていたはずの布団が、 いつの間にかくっつけて敷いてあった。 私がそのことに驚きあたふたしていると、 土方さんが目を覚ましあくびをした後に、 私を見て呆れた様子で、 「何慌ててんだよ。けほっ。…それにしても…今日はやけに冷えんな…。」 と咳混じりに言い、 布団を頭まですっぽりかぶってしまった。 (寒いかなぁ…結構涼しくはあるけど… !? そ、そーいえば、昨日川から流れてきたって言ってたよね… ってことは、川に入ってたんじゃ… 確か最初にこの部屋に連れていかれた時に、髪濡れてたような…)
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