二.満月の夜に

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私は土方さんの布団を少しめくり、 土方さんの額と自分の額に手を当てた。 いきなりのことに土方さんは一瞬目を見開いたが、 何も言わず、ただ私を見つめていた。 (やっぱり…) 「土方さん、昨日多分…川に入りましたよね? 熱ありますよ。私のせいですね…すみません。」 と言い、手をどけようとした瞬間に、 土方さんが私の手に自分のそれを重ねてきた。 「っ!?」 「優香のせいじゃねぇ。…お前の手、冷たくて気持ちいいな。責任感じてんなら、もう少しこのままでいてくれ。そしたら少しはひくだろ。」 と言われ、じんわりと胸が熱くなるのを感じながらも、 私は頷いた。 (このままでいてくれって… しかも、そんな目で見られたら…/// って、私、なんでこんなにドキドキしてるんだろう… 土方さんの手って、大きくて温かいなぁ。 何か鬼の副長って呼ばれてるのが嘘みたい。 意外と可愛いなぁ。) そんなことを思いながら、 土方さんを眺めていると、 土方さんが眉間に皺を寄せた。
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