恐怖心(仮)

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『【過去】   「したらば。 貴様を戦国大名にする。」   「坊。今川赤取家紋を馬鹿にするでない。 女が身に着ける物は縁起が良いのだ。 赤取カンザシこそ我等に相応しい。」   「先生。京まで遠いから尾張で休んでこうよ。」 「まだ半分すら来てないぞ。」 「尾張って良い所だよね。 父も馬鹿だねぇ尾張取れば良いのに。」     「兄者。安ずるな。今川は我が守る。 我は戦国大名!今川治部大輔義元なり。」     「義元様!毎回毎回悪代官に銭持ってかれちまって年貢を納めるのが毎年キツイですや!」 「ふーん。んじゃぁ悪代官ってやつを無くしちまおうか!」 「坊。今川仮名目録は変更出来ん。」 「んじゃぁ追加しちゃえば良い話だよね?」     「スー…スー…」 「坊。お見事… 父の仮名目録をゆうに超えておる…」     「坊。年貢も良い調子。 後は兵のみで完と成る。」 「他国はどこも不景気だしそろそろ流民がうちに流れて来るよ。 うちは毎日がお祭り騒ぎだからね。」     「坊。うつけ信長。 尾張制圧にて。」 「期は熟れたね。 僕達の願いが叶ったよ。 流民達で 【尾張取っちゃお。】」  』         「見せしめじゃ!   今川赤取家紋を立てよ!」   義元から命が下された。  
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