天才児

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  「小藤太!何ビビってんだッ!」   「バッカやろッ! 目の前にあの雪斎が居てみろ!」     「せっさい?」   「なんだ吉。織田家なのに雪斎を知らんのか?」   「強いか?」     「吉。これからは俺達の想像で話すが たぶん間違ってねぇ。 まず、今川は上和田を攻め 俺達は上和田の後詰めに向かう。 そして俺達はこの小豆坂で横断する今川軍を目撃する。 そして吉。お前が先陣の頭と想像しろ。」   「そしてお前はここで奇襲の策を命令する。」   「そして突撃。」   「小豆坂を全速力で登り 途中で小豆坂頂上に 今川軍の黒衣の雪斎が待ち構え 突撃命令を出す。」   「一本道の全速力だで… 止まる事出来んて…逃げるか戦うかだて…」   「ビビったか?」   信長は唾を呑んで下を向いた。   『せっさい…』   「欲しいでや。」   逸そ険しい顔付きの信長が居たのだった。  
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