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「ああ、それね」
俺は頭の中で少し言葉を整理してから、続けた。
「校門で待ってる間、辺りは中学生ばかりで、俺はかなり浮いてた。
だから、小臼屋くんはすぐに俺が待ち合わせの相手だとわかったはずだ。
でも、すぐに俺に声をかけてこなかったのは、俺の推理を試してたからなんだろ?
だから小臼屋くんは俺から声をかけられるのを待つことにした」
積の顔色が変わった。
「試されているとわかったとき、時計ばかり気にしたり、辺りをキョロキョロしたりしていた男子生徒は候補から除外した。
そんなの、いかにも待ち合わせしてますって言ってるようなものだし」
積は俺の話に聞き入っているようだった。
「しかし、時間を決めて待ち合わせしている以上、現在時刻を把握している必要がある。
だから、時間を気にせずお喋りに夢中になっていた女の子も除外した。
待ち合わせだと気取られないように時間を確認するには、何食わぬ顔で携帯を弄ってるのが一番いい。
それで、携帯を見ていた君が待ち合わせの相手じゃないかと思った」
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