1章 駅 (その2)≪改訂.2014.4.8.≫

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 純はわらった。 「ところで、信。もう一度、よく考え直(なお)してくれるかな。 おれも、しつこいようだけど」  歩きながら、純は信也の肩(かた)に腕(うで)をまわして、軽(かる)く揺(ゆ)すった。 「ああ、わかったよ。でも、さんざん考えて決心して、 帰って来たばかりなんだぜ。それをまた、すぐにひっくり返す なんてのは、朝令暮改(ちょうれいぼかい)っていうのかな、 なさけないないというか、男らしくないというか……」 「そんなことはないよ、信(しん)。いまの時代は変化が激(はげ)しいんだし、多様化の時代だし、1度決めたことだって、変更してもそれが正しいことのほうが多いと思うよ。いまの政治家とかのしている話だって、朝令暮改で呆(あき)れるばかりじゃん。まあ、おれたち若者の場合は、決心したことを変更する勇気のほうが、おれは男らしいと思うけど」
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