プロローグ

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それは夏休みが終わる二週間前のことだった。 「お父さん達離婚しようと思うんだ。」 突然だったけれど驚きも動揺もしなかった。 なんとなく、だけど気づいてはいたんだ。 家族みんなで囲む夕食なんて もう随分とご無沙汰だった。 共働きだしすれ違いもあったのだろう。 弟の和志は14歳 私、梨々子は17歳 大人の事情も十分理解できる歳だ。 弟は母っ子だから きっと母親についていくのだろう。 私は‥ 「梨々子はどっちに着いていきたい?お父さんはおばあちゃんのいる田舎に移り住もうと思うんだ。母さんは東京で働き続けるみたいだけど。 和志は母親についていくみたいだけど、梨々子もこっちに残りたいよな‥?」 「私はお父さんについていくよ。」 「そうか‥。ありがとう。夏休み中には出ようと思う。準備だけはしておいてくれ。」
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