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「There is an enemy~♪Sound a bell~♪(敵の船だ、鐘をならせ)」
何処にでもある桜並木。まだ、若干冷たい春風。しかし、通学路を歩く学生たちの心はとても暖かなものだろう。
「raise a flag~♪take the weapon~♪(旗を掲げろ、武器を取れ)」
人との出会いとはいいものだ。何故なら自分を変えてくれるから。
かつて海賊として恐れられていた自分も今ではただの男子高校生(現役軍人だが……)。只今、全力で青春をエンジョイしています。
「show me the courage~♪take it by power~♪(勇気を見せろ、力で奪え)」
しかし、出会いがあれば別れもある。それは必ず訪れる。いろんな形で。
俺の昔の馴染みはみな死んだ。だが不思議と悲しくはなかった。まあ、海賊だからな。ろくでもない奴らだったし。俺もただ生きて行くために海賊やってただけだから奴らが死のうが何されようが俺は知ったこっちゃない。
今は訳あって軍人やってるがそれは後々話すとしよう。
「the skeleton is effeminate~♪we laugh~♪(ドクロはにやける、俺をたちゃ笑う)」
「朝っぱらからなんて唄歌ってんだよ。縁起悪いな」
「んだよ、人が気持ちよく歌ってる時は話しかけるなっていつも言ってるだろ。焼いて食うぞ」
俺の朝の儀式を邪魔したこいつは若崎拳(わかざきけん)。
身長は俺と同じ位の180センチ後半。因みに俺は190センチ前半。なので朝礼の時とかに並ぶと俺達二人はいつも丸見えなので、よく注目を浴びていた。
こいつの特徴は髪型。男にしては結構長く、鳥のトサカの様になっている俗にいうトサカヘアーというやつである。
なのでみんなからは若鶏と呼ばれている。
以前、俺とこいつと友人達とでファミレスで食事に行った時にこいつがチキングリルを頼んだ時は、皆が「共食い…」と口を揃えて言った時は、まあ腹からレバーが出てくるんじゃ無いかって位皆で大笑いした。
「そう怒るなよ。悪人ヅラが増すぞ」
「余計なお世話だ。にしても、やっぱ春高遠いな」
そう、俺達は今、新しい学びの園に向かっている。
そもそも、何故軍人である俺が学校なんかに通っているかというと、まあ簡単に言えばうちのボスの命令だ。なんでも学校でしか学べない事もあるんだとさ。
そんで、ボスの昔の馴染みが営んでいる私立夏山東高校(通称、夏高)
に去年から通っているわけだ。
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