The date of beginning(始まりの日)

3/5
前へ
/6ページ
次へ
しかし、この夏高、男子が全ッ然いない。男子は俺と同じ学年の奴らしかいない。 その数なんと15人弱。全校生徒が1000人以上というマンモス校なのに全体の約1.5%しかいない。 元々女子校なのだがボスが理事長に無理言って男の俺を通える様に頼んだところなんとその年だけ男女共学にする異例の処置を行った。 この年入学した男達はさぞかしハーレムを期待していただろう。 だが現実は甘くない。 まずアウェー感が半端ない。学校全体の集まりの時なんかは、まあ目立つは目立つは。 特に俺と拳はさっきも言ったとおり身長高いから尚更だ。 あれは結構恥ずかしい… 他にも生徒会長がアパルトヘイト並みの男子隔離政策を行ったりしたが、その話は置いといて本題に入るとしよう。 実は夏高と春高(国立春ヶ丘学園)の理事長は兄妹なのだ。 俺が夏高に来る前から春高との合併が決まっていたらしく、それを今年度から実行したのだ。 俺らが合併することを知ったのは去年の夏頃。 俺も最初の頃はこのスカーフェイスとタトゥーだらけのボディに元海賊という経歴の所為でかなり避けられていたが、時間をかけて生徒達から信頼を得たのと同時並行でこの男の少ない環境が若干辛くなってきた頃。 理事長が朝礼で春高との合併案を発表したのだ。 俺達は歓喜した。やっとあの苦痛から解放される。 もう、体育の時に目のやりどころに困らなくてすむのだと(変に凝視してしまうと学校全体から変態のレッテルを貼られてしまう)。昼休みに教室を追いやられ空き教室などで細々と弁当を突っつかなくてもいいのだと(1学年、7クラスなので1クラスに男子は2~3人しかいないので教室で弁当を食べるのは中々勇気がいる)。 他にも色々あるが兎に角俺達は歓喜した。だが俺達は知らなかった。 春高が女子校と言う事を… ・・・
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加