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「なあ、デイブ。俺達が卒業するまでに何人の同志達が散って行くんだろうな…」
「そうだな。とりあえずあの脳みそがメロンパンで出来てる生徒会長が馬鹿な真似しなければ俺達の身は安泰だろうなぁぁぁぁ!?」
突如とてつもない衝撃が後頭部を襲い、俺は頭を押さえながら地面をのたうちまわった。
「誰の脳みそがメロンパンだって?」
「お前のに決まっ、嘘です嘘です?」
再び俺の後頭部を襲った何かを振り下ろそうとしているのは神無月凪(かんなづき なぎ)。
生徒達にとって姉御的な存在で茶髪でポニーテールがよく似合う夏高の生徒会長である。そんでもって…
「朝からアツアツだな二人とも」
「日本では後ろからぶん殴るのが愛情表現なのか?だとしたら12年間大海原で育った俺には理解不能だ」
「人の脳みそをメロンパン呼ばわりしたあんたが悪いんでしょ。それに私なら…」
「んぐっ?」
ゆっくりと立ち上がった俺に彼女はいきなり口づけをしてきた。
「……アツアツだな」
「ん…ん……ぷはっ!はあはあ、私ならこうする」
「恐れ入ったよ」
そう、俺のフィアンセである。
「たく、少しは周りを気にしろよな。見てるこっちが恥ずかしいわ」
「ふん、余計なお世話だ。男なら堂々としてればいいんだよ」
「そうゆうこと♪」
拳はやれやれといった感じで再び通学路を歩き始めた。
その後ろを俺達は追う。
「おい凪、そのでっかい包み何だ?」
「ん、これ?えへへ、朝早起きして頑張って作ったんだ~♪」
「へえ、弁当か。お前沢山食うんだな」
「…それ本気で言ってる?」
そう言うと凪は殺気のこもった笑みを浮かべこっちを見る。
「はは、冗談だよ。そんな怒るなって。でも、俺も昼飯持ってきちまったぞ?」
「あんたの言ってる昼飯ってそのバックからはみ出てるやつのこと?」
と言って凪が指差す先には俺のバックにささっている一本のフランスパン。
「そうだけど何か?」
「何かじゃないよ。前から思ってたけど一年中食べててよくあきないよね?」
そりゃ大好物ですから。
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