1.目覚め

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ここまで複雑な魔法陣は… 「懐かしい。勇者一行の魔法使いか…だが」 思いっきり魔力を込める。すると、俺に絡みつこうとしていた魔法陣に罅が入り、霧散した。 「ふむ」 どうやら魔法陣を破壊出来たらしい、もう魔法陣は発生せず、箱の上部に手がついた。 「よっと」 そして、箱の上部を持ちあげ退かす。すると、俺の目にダークグリーンの天井が入ってきた。 いや、ヒカリゴケの光でそう見えているだけだろう。実際はおそらく乳白色だ。 とりあえず暗い。俺は特殊な体だから普通に見えるが、並の人間なら光源が無いと間違いなく躓く。 しかし、思ったよりこの部屋広いな…なのに、この部屋にあるのが俺の入っていたこの箱だけとは…どういうことだ? 数分、俺は熟考する。そして、ある一つの結論に至った。 「なるほどなぁ…俺は封印されていたってわけか」 先ほど俺に絡みつこうとしていた魔法陣は、対象を強制的に眠らせるもの。つまり俺を目覚めないようにしようとしていたわけだ。なる程、俺を殺せないから封印したわけか。 と、その時、何処からか重い足音が聞こえてきた。 「なんだ?」 俺は正面の、この部屋にある唯一の道を凝視する。するとそこから高さ5メートル程の石造りの巨人が現れた。
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