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ここまで複雑な魔法陣は…
「懐かしい。勇者一行の魔法使いか…だが」
思いっきり魔力を込める。すると、俺に絡みつこうとしていた魔法陣に罅が入り、霧散した。
「ふむ」
どうやら魔法陣を破壊出来たらしい、もう魔法陣は発生せず、箱の上部に手がついた。
「よっと」
そして、箱の上部を持ちあげ退かす。すると、俺の目にダークグリーンの天井が入ってきた。
いや、ヒカリゴケの光でそう見えているだけだろう。実際はおそらく乳白色だ。
とりあえず暗い。俺は特殊な体だから普通に見えるが、並の人間なら光源が無いと間違いなく躓く。
しかし、思ったよりこの部屋広いな…なのに、この部屋にあるのが俺の入っていたこの箱だけとは…どういうことだ?
数分、俺は熟考する。そして、ある一つの結論に至った。
「なるほどなぁ…俺は封印されていたってわけか」
先ほど俺に絡みつこうとしていた魔法陣は、対象を強制的に眠らせるもの。つまり俺を目覚めないようにしようとしていたわけだ。なる程、俺を殺せないから封印したわけか。
と、その時、何処からか重い足音が聞こえてきた。
「なんだ?」
俺は正面の、この部屋にある唯一の道を凝視する。するとそこから高さ5メートル程の石造りの巨人が現れた。
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