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「ウォーキングバスの班ごとに集合してください。六年生の指示に従って、一列に並びましょう。私語は禁止。十秒以内!」
六年一組、榛原魁斗の担任、小林レイコは子ども達の群れに女軍曹よろしくてきぱきと指示を出していた。
「先生、榛原君がいません」
「私、ハルを見た。桑野先生と教室のテラスにいたよ」
そうだ、榛原魁斗、今日は学校に来ていたのだった。
普段は保険室登校で昼前か昼過ぎにふらりと来て、好きな時に勝手に帰る。
すっかり忘れていた。
子ども達の前でなければ舌打ちをしていたところだ。
こんな簡単な団体行動も自発的にできないのに、平和防衛学院中等部なんて………
無理に決まっているでしょう。
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