2 に 二

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気がつくと少女は 白い部屋に寝かされていて たくさんの管が繋がれていました 思うように動かないからだで 周りを見渡すと パタリと音がして誰かが駆け寄ってきました その人に抱きしめられ 少女は全てを思い出しました 事故で死にそうになった彼女の前に白い人 赤い人 蒼い人 三人の誰かが現れ 命の代わりに仕事を貰ったのを 彼女が事故にあったときから もう四年が経っていました 目を覚まさないといわれていた 彼女はもうすっかりお嬢さん あの赤い傘は 亡くなったお母さんの大切な傘 あの白い猫は─── 退院してから四年ぶりの我が家へ 車の窓から眺めている その、ずいぶんと変わった街並みに 「白」が横切りました にゃあ 『サヨナラ』と猫は告げて 三色のカミサマの元へ帰るのでした
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