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くるくる傘が回ります
赤い傘は彼女のお気に入り
バルーンのように ぷっくり丸みを帯びた可愛い傘
赤い糸で薔薇が刺繍されています
大人っぽくて素敵
彼女は得意気に傘を回します
しかしてその薔薇の刺繍は 傘と全く同じ色
誰も お供の白い猫でさえも
そこに刺繍があることは分からないのです
そんな大事な赤い傘
誰から貰ったものなのか
はたまた自分で買ったのか
彼女には分からないのです
どうしても思い出せません
そもそも自分と猫以外 誰も存在しないセカイで
どうやってこの傘を手に入れたのかすら
彼女には知り得なかったのでした
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