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イブはリリーが差し出した手を取ると、ベッドから降りた。
すると・・・、
「――――あ」
「え―――?」
「わたしの眼鏡・・・」
先ほどまでイブが乗っていたベッドの上には、原型がわからなくなっているほどに潰れたリリーの眼鏡が転がっていた。
「わ――っっ!!ごめんなさいごめんなさい!!絶対に弁償するからっ」
「あ、大丈夫だって」
「で、でも・・・」
「大丈夫だよ。だって、この眼鏡のスペアがあと100個はあるから」
「ひゃ、100個?いくらなんでもそんなには・・・」
「うん。冗談だよ?あ、でもスペアがあるってのは本当。だから、ね?」
「まあ、リリーがそういうなら・・・。あっ、そうだリリー!」
「ん、何?」
「服、貸してくれない?あたし、ドレスのまんまで来ちゃったから。こんな恰好じゃ、外にも出られないでしょ・・・」
そう言うイブの現在の服装は、少女趣味とも言えるほどフリルをあしらったドレスだった。
「そういうことなら、どれでも好きに着てくれていいよ」
「ありがとうっ、リリー!」
イブはクローゼットを開けると、最初に目についた服を取って風呂場へと姿を消した。
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