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「あ!
りゅーーうーーーーっ!!
こいつなんなの、なんなの!?
噂には聞いてたけど、すっごく危ない人!!」
潤んだ瞳で俺に飛びついてきたのは、八木田 旭(やぎた あさひ)。
俺のクラスメイトで、霞に腹を痛める俺のオアシス、常識人。
目安箱委員会の発足に焦ってしまったのか、今回は貧乏くじを引かせてしまった。
「悪いな、旭。」
「竜がケーキ奢ってくれるっていうから乗ったのにー!!」
旭、甘党だ。
後ろで実験薬持って立っている男がいるが、無視。
とりあえず、どす黒いオーラだけをイメージして欲しい。
「あら、旭くん。
ケーキならいつでも私がご馳走しますよ?」
「雛ちゃんのケーキ、金箔とか乗ってて食べるの勿体ない!!」
一段とキラキラしたスイーツを持って経っているのは、日下部 雛(くさかべ ひな)。
都内でも超有名なあの日下部グループの箱入り娘だが、そのせいかどうにも金銭感覚がずれてるんだよな……。
「竜さん、お久しぶりで。」
「ああ。」
俺は、雛と目を合わせないようにしている。
なんでも、俺の親(理事長)と雛の親(日下部グループ理事)が、仲がいいらしく、
物心ついた時から、俺は雛の世話役もしている。
今回、雛を目安箱委員会に招いたのは、
雛に新しいことをさせたいという、雛の親からの要望が俺に回ってきたからだ。
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