第三章 琴牛宮の戦い-美旋律(びメロ)対決!?-

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オックスは、あの大きな牛の形をした琴を指差した。 「あいつが?」 闘は思わず叫んだ。 「そうだ。あの牛琴は良い曲を聞くと目が光る。ヤツの目がより光った方が勝ちだ!」 「そんなんでわかるのかよ?」 「とにかく、始めてみましょう」 「然、お前がそれでいいならいいけど…始めの合図は俺が出すぞ!いいだろ?」 闘はオックスに尋ねた。 「構わん、好きにしろ」 「1、2、3、ハイッ!」 ♪タンタンタン タンタンタン タンタンタンタンタンタタタン… 室内に琴の音だけが鳴り響いている。 ♪…タンタンタタタタン 音が鳴り止んだ直後に闘は叫んだ。 「おい、どっちが勝ったんだ?」 「無論、私のハズ…」 オックスはそう言った直後驚いた顔をして、叫んだ。 「そんなバカな!」 「どうした?」 「アイツの勝ちを意味する右目の方が光っている…なぜ…なぜなんだ?」 「どうやら、私が勝った見たいです」 「こんなんでいいのか?」 ガクッとうなだれているオックス。 「しかし、どうして勝ったんでしょう?」 「何か理由とか訊けないのか?」 闘はオックスに尋ねた。 「そうだ!こいつは話せない代わりに背中のモニターに文字が表示されるんだった!」 三人が背中を覗き込むと、次のような文字が表示されていた。 「こいつの演奏は上手い…が、ワンパターンでもう飽きた。たまには別の奴の弾いた曲を聞いてみたかった。これを機会に私はこの宮を出る!」 そして、その文字を闘が読み終わるやいなや、猛スピードで、闘たちが入って来た入り口の方から出ていった。 ガタン 「あの牛、何か落として行ったぞ」 「何て速いんだ!アイツ、あんなに速く走れたのかよ!?」 オックスは闘の質問には応えず、呟いた。 そして入り口に向かって少し走った所で振り返ると闘たちに向かってこう言った。 「それは、木の 素(ソウル)だ。これからの戦いで役に立つだろうぜ…」 「うぉー!アイツが俺の事をそんな風に思っていたとは…待て、このヤロー!俺を置いて行くなー!!」 そう叫びながらオックスは牛琴を追って、走って部屋を出ていった。 「何だったんだ、アレ?」 「とにかく、先を急ぎましょう」 「次は確か…」 「『双児宮』、ふたご座のはずです」 第四章 「双児宮(に似た宮)での戦い」 に続く
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