第三章 琴牛宮の戦い-美旋律(びメロ)対決!?-

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出口を出て真っ直ぐ行くと次の部屋はすぐに見つかった。 「こんなにわかりやすくていいのか?」 「『琴牛宮』って書いてありますし、多分ここでしょう」 「本当は『金牛宮』って言うのが正しいんじゃねぇのか?」 「まぁ、とにかく入ってみましょう」 ♪テン、テレテレテレテン。テン、テレテレテレテン。ヒュルーン、ヒュールルル… 「明けましておめでとうございます!」 「はい、おめでとうございます」 「って、まだ正月じゃねぇだろ!!」 「これは、お正月によく聞く琴の名曲『春の海』ですね」 「何で、その『春の海』がこんなとこでかかってんだよ!」 「さぁ、なぜでしょう…?」 「然、あそこに誰かいるぞ」 「あの方がこの宮のゾディアックさんでしょうか?」 今まで鳴っていた琴の音が突然止んだ。 「やはり、来たか…。私がこの琴牛宮のゾディアック、 オックスだ!」 「では、私達はあなたと戦えばいいのですね?」 「それはそうと、お前の弾いてる?その楽器らしき物、それは何なんだ?」 唐突に、闘はオックスに尋ねた。 「琴に決まっているだろう」 「どう見ても、俺には木彫りの牛の背中に弦が張ってあるようにしか見えねぇが…それでも琴なのか?」 「牛の形をした琴の置いてある部屋(宮)だから、ここは『琴牛宮』なのだからな」 「何だそりゃ?」 「で、私達は何をすればよろしいのでしょうか?」 「俺と、琴で勝負して勝ってみろ」 「俺、琴なんて弾いた事ないぜ。勝てるわけないだろ!」 「仕方ありません。では、私が…」 「然、お前弾けんのか?」 「一応、基本くらいは…」 「じゃあ何の曲で勝負だ!?『春の海』か?」 闘はオックスに尋ねた。 「『さくら』にしよう」 「そんな曲でいいのか?」 「ハンデです。私の琴の腕に勝てる人などいませんから…フフフ…」 「『フフフ』って、アイツ、俺達を馬鹿にしやがって…。然、バシッと決めてやれ!」 「はいっ!」 二人は普通の琴の前に座った。 然が、突然手を挙げて言った。 「質問です。この勝負の判定をする審判のような方は?」 「アイツだ!」
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